株式会社中筋組
施工会社ならではの悩み 他社設計プロジェクトの不整合の確認にはARCHICADは強力なツール

株式会社中筋組

島根県に本社を置く中筋組は、地方ゼネコンながら先進的なITに取り組まれることで、有名な企業。1999年と、「BIM」という言葉が生まれる10年以上前にARCHICADを導入し活用されてきた。

株式会社中筋組

創業:1954年9月

事業内容:土木・建築・港湾・舗装・上下水道工事

代表者:代表取締役社長 中筋 豊通

所在地:島根県出雲市姫原町293番地

資本金:8,000万円

従業員数:132名

きっかけは顧客向けのプレゼンテーション

建築部
伊藤 幸生 氏

ARCHICAD導入当時、1999年は「BIM」という言葉もなく、「建築3次元CAD」=プレゼンテーションツールという意味合いが、導入する側も販売側にも強かった。手描きパースの外注では、時間的にもコスト的にも改善したい部分があり、他社との差別化ともあわせ、検討する方も少なくなかったが、建築オブジェクトCADとしての能力を理解している人は少なかった。 

2003年に本ユーザー事例集Vol.1を作成した際にもお話をお聞きした株式会社中筋組の設計部科長・伊藤幸生氏は当時こう語られている。 「顧客プレゼンとして必要となったが、選ぶのであれば”建築専用の3DCAD”だと思った。利用範囲としては、建築企画、平面・立面・断面・建具表、各実施設計図、外観パース、躯体積算です。導入から実稼動までは、60日ほどで移行できました。」 

7年前にすでに現在の多くのARCHICADユーザーが利用されている以上の活用をしていたことになる。

まずは、自社設計プロジェクトに関しての活用だった。 改めて7年を経過した後、ARCHICADを使われてクライアントとのコミュニケーションの変化についてお聞きした。 

「どんな事業でも、プレゼンを3Dで行うのは当たり前の時代になってきました。そこそこの商業施設や事業所だけでなく、住宅、リフォーム、小さな車庫まで3Dでのプレゼンを行っています。おかげさまで、お客様に充分納得いただいてから、発注いただけるようになりました。」 現在行われている出雲大社の平成の大遷宮プロジェクトでもお施主様との合意形成に一部ARCHICADが使われている。

施工会社ならではの悩み

他社設計プロジェクト 島根県内の大きなプロジェクトの施工を請け負うことが多い中筋組では、やはり大手設計事務所を含む他社設計プロジェクトに関わることが多い。

導入当時から現在も続く悩みとして、「設計図の整合性を見ながら作っていくケースがほとんど。整合性を見ていくことも重要なことで、全部収まってないことの方が多く、施工で考えてと言われるケースも多い。」設計データをもらう場合も、大きなプロジェクトの場合はもちろんCADデータ(DXF, DWG, JW_CAD)だが、小さな案件だと紙ベースやPDFだったりすることも多いという。 

「結局、構造データから始めて、仕上げを入れて、設備を入れて…と、ARCHICADのモデルを作りながら、整合性を確認していく作業になりますね。」モデル入力を行ないながら、不整合を設計事務所に確認しながら進めていくが、それでも施工に入る前段階で、多くの問題を回避することがしやすくなったと言う。

「BIM」について思うこと

「建築だけの利用でも、いろいろメリットはありますが、やはり、設備との連携が重要です。大きな設備会社さんでは3Dでの作図が多くなってきているようですが、まだまだ2Dが主流。 共通のデータ形式で各社が持ち寄ったデータが、簡単に総合図として統合表示できるようになれば良いと思います。」新たな情報共有の形が実現すれば良いが・・と伊藤氏は続ける。

「みんなが同じツールを使って、同じデータが使えれば最も良いけれど、そうでなければ、共通利用できる仕組みが必要ですね。設備の干渉チェックなどもやりたいけれど、もらうデータが2次元では、こちらでモデリングしなければいけないので、早く全体的な普及率が上がることを希望します。」

現在のARCHICADの活用範囲と、今後の展開 

前回のインタビューから、7年を経て現在の活用範囲をお聞きした。
「外観パースはもちろん、実施設計図、RC躯体積算、躯体施工図、木造木材積算ですね。施工図用の符号類、ラベルツールなども自作しています。」伊藤氏自ら関わるプロジェクトに関しては、施工現場でも3Dを利用し、複雑な部分の説明にも活用されている。

「今後は、常時使用している納まり等、社内での共有化を進めたいと思います。 数量積算も使いやすくなってきましたので、さらなる活用をしたいと思っています。」と語る伊藤氏の悩みは、ARCHICADを利用している設計者のレベルの差が開かないようにすることだ。

「現在ARCHICADを利用する設計者は5名。もう1名使えるよう、トレーニングを行っています。それぞれに使用するレベルの差が気になるところなので、スキルアップをさせていきます。業務上、現場に常駐することが多いため、本社でARCHICADを利用していても、現場に出るとなかなか使う機会が人によっては少なく、現場が終わって、帰ってくるとまた使い始めるが、勘がもどるまで少し時間がかかるということもあり、悩ましいところです。」 

最後にグラフィソフトへの要望をお尋ねした。「バージョンアップごとに強力になっていますが、Graphisoftと呼ばれていた時代の、かなり昔のバージョンのデータを利用したい場合、一手間かかってしまうので、もう少しスムースにできると、過去プロジェクトの活用がしやすいので、要望します。」 竣工後のモデルデータを活用した事例はまだないが、過去プロジェクトの改修などへの活用が今後進めば、現在では計画はないが、竣工後モデルの利用面もひろがるのではと考える。

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