一級建築士事務所 カクオ・アーキテクト・オフィス
「見たことがないもの」への要求に対するチャレンジ。 RCHICADを使った合意形成の確立

一級建築士事務所 カクオ・アーキテクト・オフィス

カクオ・アーキテクト・オフィスでは、10の設計コンセプトをベースに、住宅、企業施設、店舗施設など、数多くの設計を手掛けている。2年前より3次元CADを導入し、このコンセプトに磨きをかける新たなる取り組みを開始した。このチャレンジについて、代表の松村氏と青嶋氏にお話を伺った。

一級建築士事務所 : カクオ・アーキテクト・オフィス

創業 : 1997年

事業内容 : 建築設計デザイン デザインコンサルティング

代表者 : 松村 佳久男 氏

所在地 : 京都市下京区永養寺町237-19-1F

HP : http://kyoto23bs.p2.weblife.me/3d/

代表 建築家 松村 佳久男 氏

代表 建築家 松村 佳久男 氏

設計主任 青嶋 務 氏

設計主任 青嶋 務 氏

新しい設計手法への転換

ARCHICADを導入したのは2008年。それまでは図面とCGは別のものと捉え、設計を進めていた。CGソフトでは、それなりのクオリティを実現していたという。

しかしながら、ARCHICADを見て、3次元建物モデルを作成することで、平面図もCGも作成できることを実感した。断然効率がよく、間違いが少ない。設計する側もクライアントも意思の疎通がし易く、空間のバランスも設計の途中で確認することができると満足する。 

「当社も3次元CADの導入を検討していたのですが、スタッフ側の提案もあり、これからはBIMが中心になるであろうと考えていました。そもそも立体のものを考えるのに、平面で考える方がおかしいのでは。立体のものを考えるには、物事を立体で検討しなければならない。これは建物を設計するにあたって、誰もが考えていることだと思います。

コルビジェがARCHICADのような3次元CADを持っていれば、おそらく面白いように使いこなしていたのではないでしょうか。」と代表の村松氏は語る。

現在では、ARCHICADのTeamWork機能を使い、設計担当者同士コミュニケーションを図り、設計効率を上げるところまでに至っている。「作業効率は非常に上がりましたね。今後は現場に出ている担当者など、遠隔にいる設計者との利用を目指したい。」青嶋氏は更なる利用を模索している。

「見たことがないもの を創って欲しい」という要望

最近の依頼では、「見たことがないものを創って欲しい」という要望がたびたび発生している。「見たことがない」だけに、クライアントに設計意図を伝えることは非常に困難である。口で説明して理論的に理解を受けても、「実際に見るとどうなの?」と。これが特に大勢の人が関わる場合、当然ながら色々な意見が出てくる。その中には「できること」や「できないこと」、「やっていいこと」「悪いこと」があり、「無理だ」と分かっていても無理とも言えない。「実際にモデル情報で見せることによって、クライアントに対しても「無理だ」と理解していただくことが可能になりました。

以前であれば、設計意図を理解していただくために一度持ち帰り、このために2週間ほどかけて証明するデータを作成し、再度プレゼンテーションを行っていましたが、今ではVBE(Virtual Building Explorer)を使うことにより、その場で建物の中を歩いて、意図を理解してもらうことが可能なりましたね。この結果、設計期間をこれまでより短くすることができましたし、その時間を十分な検討時間に回すことも可能になりました。」

企画段階でコミュニケーションすることは、非常に重要であり、多くの合意がなされないと次には進めない。設計意図が伝わらず、後で変更となればなおさら大変なことになる。前段階でできるだけコミュニケーションをとることが、その後の設計にとって非常に大切なことである。

「普通であれば説明できない難しいところが、ARCHICADやBIMxを使うことにより説明することができます。クライアントから「なるほど」とお言葉といただけるところが最も嬉しい場面です。お客様が納得し、次の場面に繋がっていくところがこのソフトの魅力だと感じています。」

ARCHICADが実現 するリアルな提案(湯の花温泉「松園荘 保津川亭」)

画像

「京都で非常に有名な大型旅館です。その改装工事を手掛けました。エントランス部分や今まで大浴場であったところをレストラン&バーに改装した物件です。」 

この仕事で難しいことは、由緒ある建物の改築であり、既存の建物のイメージを崩さず、かつデザインを施すこと。作成した図面は約50枚。もともと大浴場にあった丹波石の壁を生かし、また外観のイメージを継承しつつも、内部の大きなエントランスホールの和のイメージを融合させたデザインを考えなければならない。 

「エントランスに関して検討を進める中、和風の入り口を設けることになりました。既存では、エントランスの部分が斜めにカットされているデザインをしていたため、当初検討したものには違和感がありましたが、ARCHICADの3次元モデルを使い、既存の傾斜部分の角度を利用することで違和感は解消されました。これも3次元で確認できていたからこそ可能になったことだと言えます。」 

ここでもクライアントとの意思疎通には、ARCHICADとそのモデルで作成したリアルなCGが大いに役立つ。レストラン&バーでは、椅子がつくりだすリアルな影までも表現し、「完成したものとCGが全くかわらない」と高い評価をいただいた。

ARCHICADが実現するビジュアライゼーションが設計意図をバックアップ

朝日ウッドテック本社ショールーム
朝日ウッドテック本社ショールーム
朝日ウッドテック本社ショールーム

複数の建物がつながっているため、柱がランダムに配置されたショールームスペース。他社とは異なったイメージのショールームを要望していたクライアントに対し、ランダムな柱を空間の特徴と捉え、照明と壁パネルを使った斬新な提案を行う。

「朝日ウッドテックの商品である凹凸のある壁面パネルを壁に貼り付け、インテリアにすることまでは考えていましたが、もう少し面白い使い方はないのだろうかと考えていたところ、照明をあてる角度によってパネルの表情が変わることを発見しました。」

不揃いの柱を逆手に取って、柱に壁面パネルを巻き、パネルに当たる照明の位置を一つ一つ変えることによって表情を出し、それぞれを木の幹に見立て森をイメージした空間を目指した。また、「和」を意識した日本のこだわりを表現するために、縦の線の多い空間とし、ゆったりとした気持ちでフローリングを閲覧できる場所とすることを提案しなければならない。

「ここでも多くの方々とのコミュニケーションをする必要がありました。担当者が社長にプレゼンテーションをする際には、BIMxのデータを利用することによって、即座に提案が通りましたね。多くのフローリングメーカーがある中、他社とは違ったショールームにしたかったこともあり、BIMxを使ってその中をウォークスルーしていただくことによって、提案内容を即座に理解していただけましたし、大絶賛でしたね。」と楽しそうに松村氏は話す。

また、「BIMxのデータとリアルなレンダリング画像が1枚あれば、十分に設計側の意図を理解させることができると思います。」と青嶋氏は自信を持つ。

Archicadの詳細情報はカタログをご覧ください

ー カタログと一緒にBIMユーザーの成功事例もダウンロードできます ー

  • Archicad ユーザーの設計事例を紹介
  • 設計時の裏話や、BIMの活用方法など掲載
  • その年ごとにまとめられた事例をひとまとめに
  • BIM導入前から導入後の情報満載

Archicadのすべての機能を
30日間お試しいただけます。

Archicadを導入して自分らしい設計をしよう