株式会社 E-SYSTEM
ARCHICAD によるBIM設計で「攻めの提案」を! 創設2年の設計チームが実現した高度な生産性

株式会社 E-SYSTEM

福岡市に本社を置くE-SYSTEMは、環境アセスメントや計量証明事業など、環境分野を中心とする調査・解析と測量の専門家集団。この分野に特化した幅広い取組みで九州を中心とする全国に展開し、すでに豊富な実績を蓄積している。そんな同社では、2016年に新たに設計部門を創設。ARCHICAD によるBIM設計事業への展開を開始した。創設して2年という若い部門だが、高い設計品質とずば抜けた生産性で急成長を続けている。同社設計グループの上野課長と小原氏に、独自な展開の詳細について伺った。

株式会社 E-SYSTEM

所在地 : 福岡県福岡市

代表者 : 代表取締役 藤本尚伸

設立 : 1996年

事業内容 : 建築設計・監理の他、環境アセスメント、計量証明事業、作業環境測定・アスベスト調査、ナローマルチビーム、廃棄物コンサルタント、砂防・斜面防災、地質調査・解析等

webサイト : http://www.esys1996.com

株式会社 E-SYSTEM
環境設計課
設計室 室長
上野裕平 氏
東北芸術工科大学 デザイン工学部 環境デザイン学科卒(現 建築・環境デザイン学科)一級建築士、管理建築士

株式会社 E-SYSTEM 環境設計課 設計室 室長 上野裕平 氏 東北芸術工科大学 デザイン工学部 環境デザイン学科卒(現 建築・環境デザイン学科)一級建築士、管理建築士

株式会社 E-SYSTEM
環境設計課
設計室 デザイナー
小原拓也 氏
福岡大学 工学部 機械工学科卒

株式会社 E-SYSTEM 環境設計課 設計室 デザイナー 小原拓也 氏 福岡大学 工学部 機械工学科卒

創設2年でずば抜けた生産性を実現

「環境アセスメントなどの調査・分析を専門とする当社ですが、以前から建設コンサルとして建築設計へのニーズはありました」。そう語るのは、新設された設計グループを率いる上野裕平氏である。上野氏はもともと福岡市内の老舗建築設計事務所に勤務する一級建築士だったが、設計部門の創設にあたって、E-SYSTEMへと転職してきたのである。上野氏によれば、同社は特に水処理施設や廃棄物処理場、ゴミ焼却場など、特殊な施設の建築コンサルテーションを引き受ける機会が多かったことから、この分野で蓄積したノウハウを生かして設計分野に展開しようということになったのだという。だが、何と言っても新分野への挑戦だけに、当初は人員的にもミニマム状態からのスタートだった。

「設計チームといっても建築設計できるのは私ともう1人だけ。2カ月後に小原君が加わりましたが、彼は新卒の新入社員だったんです」。そういって笑う上野氏の言葉に小原氏も苦笑いを浮かべる。「しかも私の場合、機械工学科出身で建築のことなど何も分からず、CADも使ったことがなかったんですよ」(小原氏)。しかし、こうした少数精鋭でのスタートも上野氏は当初から計画に織り込み済みだった。

「実はE-SYSTEMに呼ばれた時に、自分が入社する条件として“ARCHICAD の導入”を挙げたんです。以前勤務していた設計事務所の経験から、ARCHICAD さえあれば、少人数でもマンパワーをかけずにいろいろな物件がやれるとわかっていました。そこで、少数精鋭だからこそ絶対に ARCHICAD が必要になるので、必ず入れて欲しい、とお願いしたのです」(上野氏)。こうしてまずは1ライセンスの ARCHICAD からスタートした同グループのBIM体制は、その後着実にライセンス数を増やし、立上げから2年を経た現在では設計者3名に3ライセンスまで拡大。さらに2018年4月には、もう1ライセンスの ARCHICAD を加える計画だ。それでも規模的には小さなアトリエ系設計事務所クラスだが、実はその生産性の高さはずば抜けたものとなっており、実績として数字に現れ始めているという。

「設計グループとして与えられている売上目標は約2億円で、これは建築設計の分野でいえば10人規模の設計事務所の売上金額に匹敵します。私たちにとってけっして小さな目標ではありませんでしたが、現在の設計者3人体制で、すでにこの目標を達成済みです。当社の決算は6月ですから、4カ月も早く目標達成したということになりますね」(上野氏)。しかも ARCHICAD を使う設計者が3名いるとはいえ、実際にこれをフルに使いこなせる熟練者は、現在のところ上野氏1人きりだ。いったいどのような工夫で、彼らはこれほどの生産性を実現したのだろうか?

設計意図を正確かつスピーディに伝える

「営業部門から上がってきた案件は、まず全て私が目を通します。そして、個々の内容に合わせて対応していくわけです。プランをざっと描いた上でメンバーに入力してもらったり、私自身が叩き台まで ARCHICAD で練り上げてから編集だけをメンバーに頼んだり……。まあ、パース等のビジュアライゼーションは、全部小原君に頼んでいますよ」(上野氏)。当初は建築については素人同然だった小原氏も、上野氏の指導のもと着実に力を付けてきたのである。

「最初に『ARCHICAD Magic』という入門書で独学していったんです。約1カ月ほどで基本操作を習得し、1年後には1人でパースを描いてましたね。まだまだ分らないことも多いですが、やはり3Dは取っつきやすく、分かりやすいと思います」(小原氏)。そして、この「3Dの取っつきやすさ、分かりやすさ」を、ARCHICAD によるスピードとクオリティによって最大限生かしきることが、実は現在の上野氏らの1番の強みとなっている。すなわち前述した流れで作成した3Dモデルを、プレゼンテーションはもちろん、施主との多様な打合せから施工時の工事会社への説明まで、幅広く活用しているのである。

「プレゼンでも打合せでも3DのBIMモデルを使えば、図面が読めないお客様にも“こういう建物を建てたい”という設計意図を、正確かつスピーディに伝えられます。その結果、意思疎通にズレや誤解がなくなり手戻りも減って、全ての進行がスムーズになっていくのです」。しかも当然のことだが、3Dビジュアライゼーションは図面よりはるかに大きな注目を集める。コンペ等のプレゼンテーションにおいても、より確実にインパクトを与えられるのである。

「特に九州の民間分野ではまだまだBIMや3Dの普及が遅れており、BIMxなどを使って提案するだけで差別化が図れます。もちろん図面も提出しますが、たとえばTVにBIMx 等を映すとお客様は図面を見ずにBIMx ばかりご覧になるんですよ。間取りの打合せも天井を取った簡単な3Dを見ながら行うし、工事の打合せでもカウンターに立った時の見え方や死角の確認などウォークスルーでやったりしています」(上野氏)。

このような3D活用戦略に、さらに大きな推進力を与えているのが、圧倒的なスピード感でつねに1歩先んじて自ら仕掛ける「攻めの提案」である。

より高度なBIM設計をめざして

「処理施設等の仕事では大手プラント会社とのタイアップも多いのですが、そういう大手企業へアピールするにはスピードが非常に重要です。特に問合せには即座に応えなければ見切られてしまいます。その点 ARCHICAD を使えば真っ先に3D提案できるので“では御社に”という流れに持っていけるのです」。そう語る上野氏らは、構想から数日か、長くても1週間以内にボリューム検討可能な3Dモデルを仕上げ、提案しているのだという。

「さらにいえば、ビルものの計画やクリニックの相談等を受けた場合など、お客様に頼まれていなくても勝手に作って“こんなものが建てられますよ!”と提案することもあります。すると“いいですね!”という流れになることも多いんです」。ARCHICAD を一種の営業ツールとして使うこのプレゼン手法が、上野氏たち設計チームの提案力を大きく高めているのは間違いない。「とにかくこちらからどんどん提案していかないと、なかなか仕事はもらえませんから」と、笑いながら上野氏は言葉を続ける。「特に CineRender を搭載してから ARCHICAD で作るパースは本当に素晴らしくて、外注のパース屋さんを“BIMソフトにこんなパースを作られたら仕事が無くなる!”と嘆かせるほどです。この高品位なビジュアルでスピーディに提案できるのですから、本当に強力な武器だと思います」。

現状、上野氏らが引き受ける設計業務はプラントものの公共施設やビルものが多いが、今後は公共民間を問わず「やれるものは全部やっていく」方向だ。もちろんE-SYSTEMの元々の基幹事業である調査・分析業務の中で生まれた建築設計へのニーズにも応えていくし、逆に設計業務の中で生まれた調査・分析ニーズにも社内の担当部署と連携して対応していく計画だ。

「いずれ周りの設計事務所もBIMを導入するでしょう。それまでに ARCHICAD を駆使して、より高度なBIM設計を実現していく計画です。デザインはもちろんコストマネジメントまできちんと行って、お客様の予算に見合った高い設計品質を追求していきたいですね」(上野氏)

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