株式会社三谷建築工舎
初期設計プレゼンでBIMxをフル活用し、コンペティションの勝率を大きく向上。ARCHICADを核に進める"勝ち残り"戦略

株式会社三谷建築工舎

大阪市の三谷建築工舎は、一級建築士・三谷シゲノブ氏が率いる建築工事会社である。グループ企業に一級建築士事務所の三谷建築研究所があり、両社が一体となって建築の企画・設計・施工をトータルに受注し、展開している。同社では2011年にARCHICADを導入して、初期設計とプレゼン用途で活用を開始。わずか一年余りで大きな成果を上げ始めている。今や同社の企業戦略において、最も重要な武器の一つとなったARCHICADの活用法について、三谷社長と設計担当の竹原氏にお話しを伺った。

株式会社三谷建築工舎

創業 : 1998年

事業内容 : 一般建築の設計・監理、申請、施工ほか

代表者 : CEO 三谷シゲノブ

所在地 : 大阪市中央区

株式会社三谷建築工舎/
株式会社三谷建築研究所
CEO/一級建築士
三谷シゲノブ 氏

株式会社三谷建築工舎/ 株式会社三谷建築研究所 CEO/一級建築士 三谷シゲノブ 氏

株式会社三谷建築工舎
竹原里志 氏

株式会社三谷建築工舎 竹原里志 氏

“どのようなものができるのか?”を一目瞭然に


「当然のことですが、私たちは図面を描き、設計図書を作って報酬をいただいています。しかし図面を納めても、お客さまにはそれほど喜んでいただけません。お客さまの側に立ってみれば、図面を見てもよくわからないものですし、どちらかというとつまらない部類のものなのです」。そういって三谷氏は苦笑いを浮かべる。図面が無いと工事が進められないため、施主は仕方なく設計料を支払っているといった感じだと同氏はいう。

「お客さまが本当に欲しいものは何なのか?というと、それは図面ではなくて、“どのようなものができあがるのか”という結果がわかるものなのです。では、いったいそれは何なのか。iPadが発売された時も、あれでプレゼンができれば良いなとか。そんな私の思いに応えてくれたのが、ARCHICADでした」。もちろん三谷氏も、3次元CADをまったく知らなかったわけではない。

他社のBIMツールを試用した経験もあったが、いずれも使いにくく、コストパフォーマンスも悪かったため、本格導入には至らなかったのだという。だがARCHICADは違っていた。デモンストレーションを見た三谷氏は、即座にその導入を決めたのだという。

「“どのようなものができるの?”というお客さまの疑問に対して、ARCHICADなら多彩なイメージを次々に伝えて“こういった空間ですよ!”と応えられるのです。しかもごく簡単に。平面図をいくら見てもピンとこなかったお客さまも、これならすぐに受け入れてくれます。

ARCHICAD自体、価格がかなり安くなっていましたし、“いま買うしかない”と思いましたね。とにかく、お客さまに受け入れられてもらいたいという一心で取り組んでいましたから(笑)」。

初期プレゼンで威力を発揮するBIMx

こうして導入したARCHICADを、同社では現在、初期設計とプレゼンテーションに活用している。基本的には三谷氏がスケッチを手描きし、これを元にARCHICAD担当者が3Dモデルを立ち上げ、意見を交わしながら仕上げていく。ポイントは、プランを固めるのと同時並行で素早くプレゼンをする点だという。

「3DモデルをiPadやノートPCに入れてお客さまのところに持っていき、BIMxでお見せします。もちろんイメージレベルのモデルですが、反応が全然違いますね。お客さまはこんなに早く、しかも3Dで見られると思っていませんから、非常に驚きますし、ウォークスルーで動かして見ていただくと、そのこと自体に感動してくださるのです。“ウチの建物をここまで一生懸命に考えてくれているのか!すごいな!”となって、すぐに理解をいただけるのです。本当にありがたいことですよ」。

特に初期段階のプレゼンテーションで、ウォークスルーやアイレベルでのボリュームチェックが容易に行えるBIMxは、“使うだけ”で大きなアドバンテージとなるのである。

「その意味では、この段階のプレゼンはモデル精度が多少低くても良いのです。作りながら見せながら進められることが重要なのです。それでいち早く理解をいただけることはもちろんですが、ミスや手戻りも減少します。以前は時間とお金をかけてパース等を作っていましたが、それも減りました」。同氏は、次のステップとして小型プロジェクタを持ち運び、BIMxを壁に投影してプレゼンしようと考えている。3Dで見せると、プレゼンの場が明るく楽しい雰囲気になるので、壁に投影して同時に複数の人に見せることができれば、参加者全員で楽しんでもらえることも可能だという。

BIM活用は勝ち残るための条件

このように三谷建築工舎のARCHICAD活用は、現状では初期段階のプレゼンに限られているものの、導入効果は他の部分にも現われ始めている。実際にARCHICADの操作を担当している設計者・竹原氏は語る。

「以前は社長のスケッチから図面を起していましたが、ARCHICADの3Dモデルで進めるようになって、社長との共同作業がよりスムーズになりました。3Dモデルという実際のカタチでやり取りすることで、イメージの共有が速く確実になったのです。だから最終型へ向けて、お互いの意思統一が効率的かつスピーディに実現できる。図面で進めるより確実に速いですし、手戻りも減りましたね」。それは結果として設計自体の品質向上にも繋がっている。実際、竹原氏自身も、設計者として2D設計と3D設計の違いをはっきり意識しているようだ。

「私たちが作っているのは建物という3次元の物体であり、3次元設計という手法はそのゴールに近い所から始められるのです。設計者として望ましい方向であることはいうまでもありません。私自身は使い始めてまだ日が浅いので、今はARCHICADでどこまでやれるかを手探りしている状態ですが、最終的にはこれ一本で企画設計から実施設計までをトータルに完結させたいと思っています。そのためにもARCHICADにはもっともっと進化してもらわないといけません」(竹原氏)。もちろん、三谷氏もARCHICADとBIMxの活用をさらに拡大していく計画である。

「業界では、今や設計と施工の間の垣根が無くなりつつあります。行政が発注する仕事も、デザイン&ビルドで設計施工を一気通貫で求めるものが増え、“どのようなものをいくらで作ることができるのか”、“作ったものに対して責任が取れるのか”ということが問われています。これにどう応えるかが生き残りのポイントであり、ARCHICADはこういった要望にも確実に応えてくれるツールだと確信しています。今やARCHICADを巧く活用することこそが、勝ち残りの条件なのですよ」。

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