2018年9月4日(東京)、9月7日(大阪)で開催されたGRAPHISOFT JAPAN BIM CONFERENCE 2018には、両会場合わせて約700名のお客様にご来場いただきました。ハンガリー本社よりCEOのVarkonyiが来日Keynoteに登壇、またシンガポールからはSurbana Jurong Group CEOのWONG Heang Fine氏に来日いただきました。基調講演ではアーネストアーキテクツ株式会社様、戸田建設様にご登壇いただき、さらにOPEN BIM Solutionセッションでは竹中工務店様、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン様、 積木製作様、U’sFactory様にもご登壇いただく盛りだくさんの内容となりました。もちろんARCHICAD 22プレゼンテーションも豊富なデモを実際にご覧いただきさらに進化したARCHICADの新機能をじっくりとご覧いただきました。会場展示エリアでは30社に出展いただき、こちらも多くのお客様で大盛況となりました。
プログラム
GRAPHISOFT JAPAN BIM CONFERENCE 2018
『BIM INSIDE & OUT』
東京会場
9:30 – 10:00 | 開場 |
10:00 – 10:10 | ご挨拶 |
10:10 – 10:55 | GRAPHISOFT Keynote |
10:55 – 12:00 | GRAPHISOFT OPEN BIM Solution グラフィソフトジャパン株式会社 BIMインプリメンテーションディレクター 飯田 貴
熱負荷計算・設計仕様 |
12:00 – 13:30 | 休憩 |
13:30 – 14:30 | Industrial Keynote Surbana Jurong’s Integrated Digital Delivery Journey Surbana Jurong Private Limited. Group CEO WONG Heang Fine氏 |
14:30 – 15:00 | 基調講演 ~ユーザー視点でのBIMの設計活用法~ アーネストアーキテクツ株式会社 設計部 部長 板橋 友也氏 第二設計部設計室長 荒井 大輔氏 |
15:00 – 15:30 | 基調講演 戸田建設におけるBIMの現状とこれから 戸田建設株式会社 建築設計統轄部 BIM設計部 BIM設計室 兼 建築本部BIM-CM室 PM推進課 北川 剛司氏 |
15:30 – 16:10 | 休憩 |
16:10 – 17:30 | ARCHICAD 22 プレゼンテーション グラフィソフトジャパン株式会社 プロダクトマネージャー トロム・ペーテル |
大阪会場
12:30 – 13:00 | 開場 |
13:00 – 13:30 | ご挨拶 |
13:30 – 14:10 | GRAPHISOFT OPEN BIM Solution グラフィソフトジャパン株式会社 BIMインプリメンテーションディレクター 飯田 貴
熱負荷計算・設計仕様 |
14:10 – 14:50 | 休憩 |
14:50 – 15:50 | Industrial Keynote Surbana Jurong’s Integrated Digital Delivery Journey Surbana Jurong Private Limited. Senior Director, (Special Projects, GCEO’s office) Seah Hsiu Min Eugene氏 |
15:50 – 16:20 | 基調講演 戸田建設におけるBIMの現状とこれから 戸田建設株式会社 建築設計統轄部 BIM設計部 BIM設計室 兼 建築本部BIM-CM室 PM推進課 北川 剛司氏 |
16:20 – 16:30 | 休憩 |
16:30 – 17:50 | ARCHICAD 22 プレゼンテーション グラフィソフトジャパン株式会社 プロダクトマネージャー トロム・ペーテル |
会場の様子
講演レポート
グラフィソフトジャパン株式会社
代表取締役
コバーチ ベンツェ
ご挨拶
2008年がBIM元年と呼ばれてこの10年が経ちますが、アジアではシンガポールにおけるBIMの活用が目覚ましく、基調講演に登壇いただいたSurbana Jurong社をはじめとする各企業が、アジアでも最も早いスピードで進化しています。新しいテクノロジーを採用する際、困難を伴うことがあります。馬車から乗用車に変わった時代、印刷がDTPに移行した際などと同じく、この「破壊的技術」と呼ばれるものは新しい、革命的な技術が生まれる際に起きる変化です。BIMの導入においても一時的に簡単ではない時期を経験することがありますが、多くのお客様がこれらを乗り越えてBIMの利益を享受しています。その成功の秘訣は、既存のワークフローにBIMを当てはめるのではなく、新しいワークフローや役割、責任を作り、リーダーシップをもって、これらを社内に浸透させたことが大きいようです。ベンダーとしては、これをサポートすべく豊富なナレッジを提供し続けてまいります。
GRAPHISOFT SE
CEO
Viktor Varkonyi
GRAPHISOFT Keynote
グラフィソフトおよび親会社であるNemetschekグループの業界での位置、また今後の展望についてご紹介しました。2017年現在、Nemetschekグループは建築・建設業界において、世界第2位の規模となっています。グラフィソフトとしては過去6年にわたってダイナミックな成長を続けており、特に南北アメリカおよびアジア太平洋地域の成長が目覚ましく、会社全体のパフォーマンスにも大きく貢献しています。今後はさらにAIの活用を進めていきます。例えば階段のような複雑な要素を設計する際、美観のみではなく機能性や法規制をどのようにクリアするかが重要となりますが、それらの課題をAIを使って解決できるようユーザーのデザインをサポートしていきます。また、イタリアの大学との協業の例として、地震で破壊された村の復興におけるBIMの活用例をご紹介しました。さらにいかにBIMデータへのアクセスを容易にしていくかについてBIMxの今後の展開などについて解説しました。
グラフィソフトジャパン株式会社
BIMインプリメンテーションディレクター
飯田 貴
GRAPHISOFT OPEN BIM Solution
OPEN BIMソリューションについて、BIMのさまざまな情報をどのように視覚化するかをテーマに講演しました。ZEB/ZEH/熱負荷計算、AR/VR/MR、API開発環境、3Dレーザースキャナー、BIM申請についてご説明し、また、4名のゲストスピーカーをお招きして実例をもとに詳しくご講演いただきました。「熱負荷計算・設計仕様」については病院の設計例、「Unity BIM Importer」では建築、自動車、医療などさまざまな産業分野で活用されている、ゲームエンジンのBIMでの活用法、そして「Point Cloud(点群)情報のBIM活用」では計測、作図、モデリング、関係者との調整までをどのように行うか、などをゲストスピーカーの皆様に詳しくお話しいただきました。さらに進化したBluebeamとARCHICADの連携についてご紹介しました。
Surbana Jurong Private Limited.
Group CEO
WONG Heang Fine氏
Industrial Keynote Surbana Jurong’s Integrated Digital Delivery Journey
2017年の11月以来シンガポール政府が「IDD(Integrated Digital Delivery)」を進めている中で、Surbana Jurongでは建設だけではなく施設管理の分野まで含めて推進しています。相互運用が可能な共通のデータ環境「CDE(Common Data Environment)」を持ち、図面や文書の情報管理が重要となってくる中で、ARCHICADはSurbana Jurongにおいて中核を担うソフトウェアとして採用されているとのことでした。また、IVRS(没入型VRシステム)への投資、活用についてお話しいただきました。これは初年度で投資回収でき、デベロッパーの方にとってはバーチャルにおいて、空間を把握、理解できるため、プロジェクトの後半になって急にコストの高い変更をする状況を回避できるものだそうです。さらにドローン、施設管理、資産管理、監査、分析についてもお話しいただきました。
アーネストアーキテクツ株式会社
設計部 部長
板橋 友也氏
第二設計部設計室長
荒井 大輔氏
~ユーザー視点でのBIMの設計活用法~
はじめに、企画設計、実施設計、設計管理のフェーズにおけるARCHICADおよびBIMx活用のお話を中心にご講演いただきました。続いて社内においてBIM設計を導入するにあたりどのような取り組みがなされているか、ルール作りやデータ共有、チームワークなどを詳しくお話しいただきました。また実物件を例に画像やムービーを使いながら、BIM確認申請についてご説明いただきました。申請上必要な情報と不要な情報の選別がBIMxにより可能になることで、BIMモデルを改ざん不可能な情報として審査機関と共有できるメリットなどご紹介いただきました。
戸田建設株式会社
建築設計統轄部 BIM設計部
BIM設計室 兼
建築本部BIM-CM室 PM推進課
北川 剛司氏
戸田建設におけるBIMの現状とこれから
組織としてどのようにBIMに取り組まれているかについて、ねらいと考え方、BIM設計部における実際の取り組みと課題、問題点についてお話しいただきました。フロントローディングにおいては、要件定義、確認合意、課題解決、施工の各フェーズで統合的なマネジメントを推進されているとのことでした。そのためにBIM設計部はモデルを作成するだけではなく、BIMを活用してプロジェクトのマネジメントを行う部門として位置づけられているチーム体制を詳しくお話しいただきました。重ね合わせ、統合モデルでの打ち合わせや、各成果物にどのようなものを作成しているかなどもお話しいただきました。今後は社内教育の強化も進め、推進部門から設計ライン部門への展開を目指していくとのことでした。
ARCHICAD 22プレゼンテーション
プロダクトマネージャー トロム・ペーテル
BIMインプリメンテーション BIMコンサルタント 佐藤 貴彦
BIMインプリメンテーション BIMコンサルタント 村田 晶規
BIMインプリメンテーション BIMコンサルタント 髙橋 志歩
大阪営業所長 BIMインプリメンテーション 志茂 るみ子
ARCHICAD 22プレゼンテーションでは、刷新されたファサードデザイン手法、より速く、よりスムーズな2Dナビゲーション、パラメトリック断面形状や数式で定義されたプロパティ値などについてデモンストレーションしました。詳しくはこちらの動画をご覧ください。