【レポート】第8回パワーユーザーカンファレンス

『実用化へ加速するBIM』

2012年3月6日東京銀座「時事通信ホール」にて開催いたしました「GRAPHISOFT 第8回パワーユーザーカンファレンス in 東京 『実用化へ加速するBIM』」には、多数のお客様にご来場いただき、大盛況のうちに終了いたしました。プログラムは以下の通りです。

  • 【海外事例】
    「ARCHICADを使ったBIMへの取り組み / 中国でのBIMの現状」
    United Design Group Co. Ltd., Shanghai
  • 【国内事例】
    「竹中工務店におけるモデル活用」
    株式会社 竹中工務店 設計本部 情報課長  能勢 浩三 氏
  • 【ARCHICAD BIMガイドラインの紹介】
    グラフィソフトジャパン PMEマネージャー  飯田 貴
  • 【パネルディスカッション】
    UDG Shanghai BIM Studio Director  Mr. Tang Wei 氏
    株式会社 竹中工務店 設計本部 情報課長  能勢 浩三 氏
    株式会社 日建設計 デジタルデザイン室 宮倉 保快 氏
    BIM LABO(有限会社アド設計 代表) 鈴木 裕二 氏

ご挨拶

グラフィソフトジャパン株式会社
代表取締役社長コバーチ・ベンツェ

今回で8回目となるパワーユーザーカンファレンスの内容について、グラフィソフトジャパン 代表のコバーチ・ベンツェよりご紹介させて頂きました。
「今後、アジア圏でGRAPHISOFTの支社を次々に設立し、BIMの発展を加速させます。昨今、建設業界ではゼネコンを始めとした多くの企業がアジア圏へビジネスを拡大しています。
そこで、当然ながら日本で使ってきたBIMの技術を現地でも使いたいということになります。将来的に現地から直接サポートできるような体制を整えていきたいと思っています」
ご講演頂く竹中工務店様のご紹介、そして、今後のBIM発展のカギとなるノウハウの共有についてご紹介しました。


【基調講演】海外事例 
「ARCHICADを使ったBIMへの取り組み / 中国でのBIMの現状」

United Design Group Co. Ltd., Shanghai
Mr. Tang

1200名を超える設計者が在籍する、上海最大手の設計事務所。Tang Wei氏より、中国のBIMの状況、同社のARCHICADを使用したBIMの取り組みについてご講演頂きました。
「2011年7月に中国政府から発表された中国国家建築業第12期「5年計画」では、「BIM標準を策定」、「情報の共有」、「プロジェクト管理」、「技術の革新」等、国としてBIMを推進していく大きな指針となっています。
UDGではBIMスタジオを発足し、ライフサイクル全体でBIMを活用していくことを追求しています。」
昨年3月に竣工した徳陽(トクヤン)駅の事例を始め、BIM統合モデルと共にご紹介頂きました。


【基調講演】国内事例 「竹中工務店におけるモデル活用」

株式会社 竹中工務店
設計本部 情報課長
能勢 浩三 氏

同社においての1980年代からの3次元設計~BIMの様々なモデル活用をご紹介頂きました。
「設計の初期段階から一貫したモデル活用を目指し、さまざまなモデルデータを取り込み、必要な情報を取り出し、活用するという形でBIMを取り組んでいます。
ARCHICADについては2005年ごろから導入を開始しました。一部プロジェクトで試行利用をし、2009年から、プロジェクトでの実活用を開始しました。現在はARCHICADの標準環境整備として当社の基準に沿った教育マニュアルの作成、部品の整備を進めています」

様々な形でのモデル活用をご紹介頂きました。


「ARCHICAD BIMガイドライン」の紹介

グラフィソフトジャパン
プロダクトマーケティング マネージャー  飯田 貴

3月末に無料ダウンロードにてリリースを予定している「ARCHICAD BIMガイドライン」について、プロダクトマーケティングの飯田よりご紹介致しました。
「多くのお客様より、「モデルを作成していく工程が見てみたい、実際のモデルデータを見たい」などのご要望を頂いており、グラフィソフトとしてノウハウをまとめ、共有していくという課題に対しての取り組みをご紹介させて頂きます。プロセスに合わせた様々な資料に加え、「ARCHICAD BIMガイドライン」を作成致しました。
ガイドラインは実務に沿った「.plnデータ」、環境設定の「.tplファイル」、ドキュメントの3つで構成されています」


BIM LABO
(有限会社アド設計 代表)
鈴木 裕二 氏

そして、ARCHICAD BIMガイドラインの監修をして頂いたBIM LABOより、鈴木様にご説明頂きました。
「2Dと3Dの切り分けをはっきりし、現時点で最も合理的だと考えられるところで線引きをし、また、BIMらしい図面表現としてBIM LABOから提案致しました。目指すのは確認申請で使える設計図書用テンプレートとしました。」


パネルディスカッション

  • UDG Shanghai BIM Studio Director Mr. Tang Wei 氏
  • 株式会社 竹中工務店 設計本部 情報課長 能勢 浩三 氏
  • 株式会社 日建設計  デジタルデザイン室 宮倉 保快 氏
  • BIM LABO(有限会社アド設計 代表) 鈴木 裕二 氏

まず、日建設計の宮倉様に「BIM推進と「デジタルデザイン室」の役割」についてご説明頂きました。 「日建設計のデジタルデザイン室では、シミュレーションと連携、アルゴリズム設計、複雑な形状のデザインなど「攻め」の「高品質な設計」を推進しており、一方で意匠図、構造・設備の食い違い防止、省力化など「守り」として「効率的な設計」を同時に進めています。さらにBIMデータサービス、FMなど今後のビジネスモデルの確率を進めています。」 デジタルデザイン室での取り組みについてご紹介頂きました。 各社のテンプレートの使い方や整理の仕方、日本と中国でのBIMの活用状況、従来の図面との考え方の違い、BIMの今後についてなどディスカッションをして頂きました。