古郡建設株式会社
BIMの導入で設計・積算・施工まで 一気通貫したサービスの提供へ

古郡建設株式会社

地元に根ざした総合建設会社。主な仕事は、埼玉の県北を中心とした病院、福祉施設、工場、倉庫、事務所などの幅広い建築工事、道路の舗装や河川の護岸といった土木工事、またグループ会社では住宅建築も手がけるなど、地域のあらゆる発展を担っている。2021年から「健康経営優良法人認定」(中小規模部門)を取得。社員の健康管理だけではなく、地域・社会に対するSDGsな取り組みにも力を入れている。

古郡建設株式会社

  • 所在地
    本社:埼玉県 深谷市 稲荷町 2-10-6
  • 代表 古郡 栄一
  • 創 業 1914年
  • 業務内容
    1. 総合建設業 (土木工事・建築工事・舗装工事・設備工事)
    2. 住宅・リフォーム・リニューアル・建築事業
    3. 建設と不動産のトータル・プランニング
    及びコンサルティング 4. 上記の事項に付帯する事業

工事長
森 健一 さん

設計課
真下 祐輔 さん

設計課
須田 順子 さん

工事部
吉田 潤矢 さん

積算課
ティーダスウェ さん

積算課
金井 正人 さん

設計課担当課長
眞中 修 さん

「古郡建設」は、埼玉県深谷の地で大正3(1914)年から続く、地元密着型の建設会社だ。
創業当初は土木事業から始まったが、現在では土木・建築共に活躍している。建築部門においての業務は大きく設計、積算、施工の3つの課に分かれている。中でも積算とは、工事にかかる材料、作業、人員などの全ての費用を一つひとつ正確に算出するのが主たる業務だ。古郡建設で最初にBIMを使い始めたのも、積算課からだった。「積算課では会社の売上を左右する見積りを弾きます。正しく計算できないと赤字工事や、お客さまからの信頼を失うことにもなりかねません。細かいところまで正確に数量を出す必要性を感じ、10年前からBIMを使っていました。
ただ、躯体の拾い出しに特化した3Dソフトだったため、他部門と連携することはできませんでした」そう話すのは、積算課の金井正人さん。2018年から、社内でのBIMの共有を目指し、設計課でもBIMの導入検討を始めた。「当時、BIMといえば名前が上がるのは大手3社でした。その中から、会社として長くおつきあいできそうなパートナーを検討した結果、設計から取り組みやすく一番将来性を感じたArchicadを選びました。これまでは、設計、積算、施工のそれぞれが自分たちの課のためだけに図面を用意していましたが、これからは3課をArchicadで一本化し、連携しながら効率的に仕事をしていけるようになれば、と考えています」と、設計課担当課長の眞中修さん。
そうして初めてArchicadを使って取り組んだ案件が、深谷電機の事務所だ。

オフィスは仕切りのないオープンな空間。

積算や施工の面での不具合があれば、設計にフィードバック。Archicadの導入によって、早い段階から3者で打ち合わせをすることができるようになった。

設計、積算、施工をArchicad で繋ぐ

「2022年に竣工した深谷電機さまのオフィスが、全社で共通のBIM(Archicad)を使用した最初の案件でした。プランの提案から実施設計、内装提案もArchicadを利用して行いました」と、設計課の真下祐輔さん。
使用したツールは、Archicadで設計した建物をさまざまなモバイルで見せることができるBIMxや、動画作成ソフトのTwinmotion。「これまでお客さまに内装提案する時は、内装材を取り寄せてプレゼンボードを作っていましたが、BIM上では壁紙、床材などを3Dモデルに貼り付けるだけ。アングルを変えて見せることもできるし、お客さまと話しながらその場で色味などを変えることもできるので、一般のお客さまの理解度も高く、説得力がありました。BIM上で設計した建物と完成した建物との差異がほとんどないことも、お客さまへの信頼に繋がっていると思います」。
現在は、倉庫のような単純な設計は2Dで、複雑な建物は3D(Archicad)で、と使い分けて設計している。「いま、設計課の職員は3人。受注の8割は設計施工以外による案件のため、私たちがArchicadをもっと使いこなせるようになれば、将来的には少数精鋭部隊でも、設計から施工まで一気通貫で、会社として大きな案件に取り組んでいけるのではないか」そんなふうに、真下さんたちは期待を寄せている。

深谷電機外観_ 設計段階から完成形を共有できる


完成した建物の様子を周辺環境まで含めて「見える化」できるので、わかりやすい提案が可能になった。「モデルを細かく作り込まないと設計図として出てこないので、最初の入力は大変。でもその後の修正はとても楽になります」(真下さん)。

Archicad上で作った外観

竣工後の外観

深谷電機内装① 内装提案をBIMで確認・調整


提案時の仕上げ材の変更も簡単にできるので、その場で顧客と確認し合えるのがとても効率的だ。

内装提案時のArchicad

深谷電機内装② 細かい部分まで再現して手戻りを防ぐ


施工担当とは仕上げ材の情報や内装の現場検証をBIM上でできるので、現場ミスを事前に防ぐことができる。

Archicad上で作成したBIMモデル

竣工後の内観

Archicadを使って様々な物件にチャレンジ

Archicadを使うと、モデル形状を変更すれば、連動して体積や表面積も自動で再計算ができるのは、積算する上で大きな利点だ。

設計図を下地にArchicad上でモデリング

鉄骨・仕上げ材などを原寸サイズで各種配置

3Dで不具合箇所の修正確認

独自で作成した一覧表による積算数量をもとに、パートナー会社へ見積りを依頼

大型で複雑な構造の案件は、設計、積算、施工共に、Archicadで作るメリットが特に多い。
「Archicadを使えば地下・地上に関わらず断面を色々なところで切れるので、構造が複雑な部分などを3Dで事前に確認することができる。現場の状況に即して壁の仕上げの厚みなどもすぐに変更できるので、BIM上で納まり検討をしておけば施工段階で不具合も出ない。
また、積算段階から施工を意識して精度の高い数量拾いができるので、施工段階での皺寄せがほとんどありません」そう話すのは、工事長の森健一さん。施工が始まってから問題が出ると、時間のロスが発生してしまう。「設計と積算で同時並行的にBIMを詰めていけば、これまで設計→積算→施工と図面を回していたところを設計段階に直接施工サイドからも意見することができるので、かなりの時間短縮になります。
また、先ほど話したように基本設計の段階から施工についての検討ができれば、予算が厳しいときに違った工法の検討をするのもまだ容易な段階なので、コストメリットも大きい。BIMを見ながら施工方法も事前に相談できるし、準備も万全にできていいことづくしです」

積算課の金井さん(左)と工事長の森さん。これまで現場で調整することが多かった不具合なども、事前にオフィスでできるようになった。

BIM は建築業界や地域に貢献するための投資

「施工現場では“やりづらい=コストがかかる”が定説ですが、設計者は現場がやりやすい・やりづらいということよりも希望的なものを優先しがち。
とくに設計施工以外の案件では、積算してみたら予算に合わない、納期が合わず工期が遅れるということが結構あるんです。だから、社内で一貫して進められる設計施工案件を増やせば、最初から積算が参加して設計ができるので、コスト的に抑えたものでベストな提案ができるようになります」。(金井さん)
古郡建設では、建設業が環境破壊に加担しているというイメージを変えていきたいという思いから、社をあげてSDGsな取り組みを積極的に進めている。BIMを導入することはその一環でもあった。「BIMを使えば、お客さまの満足度を高めることができるのはもちろんのこと、これまで大量に印刷していた図面が簡略化されるのでペーパーレスに繋がり、時間短縮も図れるので労働時間が削減できます。
BIMcloudを使えばリモートワークも可能になるので、育児・介護など家庭の事情で働きづらい女性の支援や、社会参加にも貢献できるようになりますね。積算課に5︎年前に入社したティーダスウェさんは、研修期間を経た今、男性社会とされる建設業界の中でも優秀なBIMの使い手として活躍中です」(眞中さん)“大勢の人と一緒に大きなモノを作るという仕事を通じ、個々の人間力を高めていく”という理念を掲げている古郡建設では、今後もBIMを通じた建設業界の課題解決に積極的に取り組んでいく。

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