
株式会社 大澤設計事務所 代表取締役 一級建築士・設計専攻建築士 (日本建築士会連合会認定) 登録建築家 (社団法人日本建築家協会認定) 福祉住環境コーディネーター 木造住宅耐震診断士 ファイナンシャルプランナー(AFP)
大澤 宏輝 氏

カラーコーディネーター
大澤早苗 氏

一級建築士 福祉住環境コーディネーター
河本 光代 氏
設計事務所としてのステップアップのために
「普通のオフィスや店舗、個人住宅も計画しますが、独立前に務めていた事務所で多く手がけていた関係もあって、医療福祉系が多くなっています。医療系では多様なクリニック、福祉系は特別養護老人ホームやデイサービスセンターです」。
医療福祉系を多く計画するうち、大澤氏はこの分野ならではの大きなやりがいを感じるようになっているという。たとえば特別養護老人ホームの場合、全国で40数万人が入居中だが、順番待ちの方も同じくらい多い。極論すればどんな建物でも「建てれば満室」の状況なのだ。
「だからといって効率優先の建物が入居者のために良いとは思えないのです。たとえば特養ホームの入居者は65歳以上ですから、今の環境ではなく“その人たちが育ってきた環境”を意識して設計したいんですよ。いわば“家”の感覚ですね。そういう部分に、私は大きなやりがいを感じます」。
だからこそ、時には効率重視の運営側の意向と相反してしまうこともあるが――と大澤氏は苦笑いする。このように、言わば日々葛藤を繰り返しながら3名のスタッフと常時複数のプロジェクトを動かす大澤設計事務所の日常は、過密なスケジュールに追われることが多かった。
「設計者としてもっと新しい技術やノウハウにも挑戦したいし、設計品質も向上させたいのに、そのための時間が取りにくいのです。若い人も育てたいし、これでいいのか、ずっと疑問でした。そんな時に出会ったのが ARCHICAD でした」。
それまで大澤氏らはフリーウェアの2次元 CADを設計に使用していたが、度重なる修正や変更へのスピーディな対応が難しく、時間ロスの要因になっていた。しかもパース等の作成に使えないため外注せざるを得ず、そこにも時間やコストの無駄が生まれていた。そこで大澤氏が考えたのが3次元設計の導入だ。これを上手く活用することで効率化を図り、さらにBIM への展開により新技術の導入にも繋げていこうというのである。
こうした経緯を経て、2013年夏、大澤氏は3次元CAD の導入検討を開始した。業界で広く知られた3製品を選び、比較検討を進めていったのである。同氏が求めたのは、設計事務所の業務をトータルに支援して作業効率と設計品質を向上させ、さらにはBIM への展開も可能にするCAD である。そこには基本計画からプレゼン、詳細設計までトータルに、これ1本でやりたいという大澤氏自身の強い思いがあった。そして、これに応えたのが ARCHICAD だった。


ARCHICADだけで徹底的な時間短縮を
「3Dに乗り換える以上、これ1本でやりきって時間短縮したかったんです。全員で3次元設計を学んで、計画や作図、プレゼンに打合せも 3D で行なって、短時間で質の高いものを作っていこう!というわけで、それにはARCHICAD が最適でした」。その言葉にカラーコーディネーターの大澤早苗氏も笑顔で頷く。
「決め手は“ARCHICAD でここまで出来る”ということを具体的に見せてもらえた点ですね。設計業務でトータルに使えると確信が持てたし……エキスパートが操作するARCHICAD は感動的なほどでした」。
こうして導入されたARCHICAD の普及は操作講習から始まった。時間のある者が導入プログラム「ARCHICAD JUMP!」を受講。内容を社に持ち帰って広め、各自が自学習を進めていく。一級建築士の河本氏は数年のブランクがあったため、復帰した途端の3D化には苦労もあったという。
「電話とメールで質問を連発しながら練習したので、正直まだまだ手探りの部分もありますが、最近は3次元設計が楽しく感じるようになりましたね。平面図を描いて 3D を立ち上げると“できたー!”って感じで本当に楽しく分かりやすいんですよ」。


スピードと品質の双方を大きく向上
こうして導入から1 年余が経過した現在、同社ではいまや物件の基本計画はほぼすべてARCHICAD で行なうようになっている。もちろんプレゼンテーションについても、ARCHICAD を使って内製したパースやウォークスルー、BIMx を駆使しており、現在はさらに平面詳細を中心に詳細設計の作図等にも挑戦が始まっている。
「まだまだ不慣れな部分もありますが、ARCHICAD メインで運用できている基本設計から提案までの流れは、圧倒的に効率化できた実感があります。何しろ以前1カ月〜1カ月半もかかった作業が2週間で終わるのですから、半分以下です」(大澤所長)。
2次元CAD の時代はまず平面図で2プラン程度を作りご提案していた。そして、3〜4回のやり取り後にプランが決まり、ようやくパースを起こしていた。ところがARCHICAD を使うようになってからは、最初の提案からパースやBIMx を用いたビジュアルなプレゼンが可能になったのである。
「最初のプレゼンでノートPC を持っていってBIMxで提案すると、お施主様は声を上げて驚いてくださいます。しかも、提案したいイメージを的確かつスピーディに表現できるので、非常に分かりやすく、内容を正確ARCHICADだけで徹底的な時間短縮を施設検討パースT邸パーススピードと品質の双方を大きく向上にお伝えできるのです。だからお施主様の満足度も高くて良かったと思います」(大澤早苗氏)。このような3次元設計の展開は、お施主様だけでなく設計者側にも様々なメリットを生み出している。たとえば2D/3D をシームレスに行き来しながら設計を進められるのも、設計者にとって大きなメリットの1つだという。
「先日もあるプランで、法規的にも十分な幅を取った廊下を 3D で見て狭く感じ、10センチほど広げました。こういう微妙なバランスは、設計者でも見て確かめないと分からないことがあるんです。それが即座に実行できるのですから、設計品質の向上も確実でしょう」。そう語る大澤所長の来年の目標は、まず1棟を基本計画から実施設計までARCHICAD でトータルにやりきること。そうしてノウハウを蓄積しオール3次元化を着実に進めていく計画だという。
「いずれはBIM を使って、照明計画や温熱環境、風環境などのシミュレーションも連動させていきたいですね。“福井の小さな事務所だからここまででいい”ではなくて、やれることは全て検討し、より質の高い設計を提供したいのです。だから設計者としてできることは全てやっていくつもりですよ。そうなるとやはり、ARCHICAD によるBIM 活用が最大のポイントになるでしょうね」。


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