株式会社オアシス・イラボレーション
ARCHICADを核に計画力と提案力を向上。解体工事業界の最先端を行く独自のBIM戦略

株式会社オアシス・イラボレーション

高知市のオアシス・イラボレーションは解体工事専門業者である。大型のオフィスビルから個人住宅、土木構造物まで、幅広い解体工事をトータルに行い、高知県屈指の規模と実績を誇っている。同社の強みは最新鋭の大型工事機械を駆使した大規模な解体技術と、発注者のニーズに確実に応える計画力・提案力である。特に後者については、いち早く導入したARCHICADを核に急ピッチで3D化を推進しており、ここでも業界の最先端を行く。解体工事におけるARCHICAD活用について、川渕社長と工務担当の西森氏に伺った。

株式会社オアシス・イラボレーション

設立 : 1960年2月

資本金 : 4,000万円

事業内容 : 建造物解体工事全般(専門)、土木工事 ( 設計施工)、造園工事全般(設計施工)、産業廃棄物収集運搬、ウォールソー・ワイヤーソー工法、アスベスト・ダイオキシン除去工事

所在地 : 高知県高知市

HP : http://www.oasis-1.co.jp/

株式会社オアシス・イラボレーション
代表取締役
川渕誉雄 氏

株式会社オアシス・イラボレーション
代表取締役
川渕誉雄 氏

工務 一級建築士
西森慶二郎 氏

工務 一級建築士
西森慶二郎 氏

解体業式BIM活用で最先端を行く

スクラップ&ビルドが大前提の建築業界にあって、解体工事は無くてはならない作業の1つである。しかし、建築業界の他業種に比べると脚光を浴びることは少なく、言わば縁の下の力持ち的存在に留まっている。そのせいか、解体工事業界ではデジタル化も遅れ気味なのだが、そんな中でいち早くこれを推進し、着実な成長を続けている解体工事会社がある。高知市のオアシス・イラボレーションである。弱冠30歳の若さで同社を率いる川渕社長は語る。

「23歳の時に父から社長を引き継ぎ、以来会社はずっと右肩上がりの成長を続けています。以前から高知県外の仕事も積極的に受注してきましたが、今年はいよいよ他県に進出し、神奈川に支社を出す予定です。厳しい時代ですが、だからこそ何ごとも前向きに、拡大志向で取組みたいのです」。そんな信念のもと川渕社長が推し進めてきたのが、大型の専用工事機械を活かした大型の機械解体の推進と、これを生かす計画力・提案力の強化である。ひと口に解体工事といっても、現場や建物により内容はさまざまだ。発注元のニーズに応えて最短の工期とコストで、しかも周辺に迷惑をかけず安全に工事を進めるには、最適な工法と工作機械を選び精度の高い工事計画を立案しなければならない。そこで同社が活用しているのが、ARCHICADによる“解体業ならではのBIM”なのである。

「大ボリュームのビル建築の場合、発注元から建物の図面をもらい、それを基に、まずARCHICADで3Dモデルを立ち上げてしまうのです。そうやって可視化すれば皆が現場状況を理解できるので、最適な工法を選び、仮設計画を立てられるようになるわけです。当然、廃材の量等も自動で拾い出せますから、見積りも素早く精度の高いものが出せます」。かつては同社でもこれらすべてが経験ベースで行われ、言わば現場任せの状態だったという。実は現在も同社以外の解体工事の現場では、2DCADの利用がせいぜいなのが現実だ。いち早くARCHICADの活用を開始した同社は、圧倒的な競争力を得て、高知の解体工事業界の最先端に躍り出たのである。 

「現場の作業員に紙の図面や工事計画を見せてもなかなか理解してもらえないし、それは発注元も同様です。ARCHICADで作った3D工事プランをモニタ等で見せれば、誰にでも即座に伝わる。この違いは圧倒的です。結果、安全確実でスピーディな工事に繋がるのはもちろん、競合などでも発注元に対する説得力が段違いに大きいのです」

2Dから3D、そしてBIM

いまやオアシス・イラボレーションにとって、ARCHICADの活用が成長の原動力の1つとなっているが、無論これも一朝一夕に実現されたものではない。川渕氏の挑戦は今から7年前にさかのぼる。 

「CADを使い始めたのは社長になった23歳の時です。工事計画書を出すため図面を作る必要があり、見よう見まねでJw_cadを使い始めました」。前述の通り、当時の解体工事業界は2DCADの利用さえ少なく、ほとんどの工事が図面なしで行われていた。そこでいち早くCAD化し、合わせて大型工作機械を積極的に導入することで、同社は大きなアドバンテージを稼いだのである。だが、だからこそ2次元CADに対する不満も早くから生まれた。

「私自身が図面に慣れてなかったせいもあり、平面と立面の整合性を取るのに大変な手間をかけていました。この手間を何とか省けないか、ずっと考えていたのですが、ある案件で発注元から“3次元で描けないか?”と言われたのです。結局当社ではできずに外注したのですが、それがすごく心残りで」。その要求とは“工作機械が解体を行っている現場状況を横から見て描け”というもので、言わば3DCGパース風の解説図が求められたのだ。いち早くCAD化を進めた同社にとっても、困難な要望だったのである。その時の悔しさが川渕社長を3次元に向かわせた。

「3DCADを導入するなら、全社に普及させなければ意味がありません。しかし当時の3次元CADは高価すぎたし難しくて。そんな時に見つけたのがSketchUpでした」。早速、これで建物モデルを作って工事計画を皆で検討したり、切り出した画像で提案したり、3Dを活用した川渕氏だったが、これもすぐに物足りなさを感じ始めたという。

3Dを活かした計画力で首都圏進出

「数量の拾い出しをしたかったのです。解体工事では産業廃棄物の数量がとても重要で、解体工事費用のおよそ2/3はその処分代と運搬代です。だから産廃の処分量を事前に把握したいわけですが、手拾いでは時間がかかり正確さにも欠けます。裏返せばここを自動化できれば大きな武器になる、と分かっていました」。しかし、当然ながらそれはオブジェクト型の3DCADでなければ不可能な作業である。再び条件に合う3DCADを探すうち、川渕氏はBIMの概念に出会った。そして、必要なのがBIM CADであると知った同氏は、すぐにBIM製品を研究し始めたのである。 

「ARCHICADほか3製品を比べたのですが、試用版を実際に使ってみてすぐにARCHICADだな、と。他社製品は使い難いのに、ARCHICADはしっくり来ました。まあ独学ですから使えるようになるには結構かかりましたが、マニュアル本『ARCHICAD Magic』等のサポートも充実しているので助かりました」。現在ではもう1人“ARCHICAD使い”を育て、2人体制で取組んでいる同氏だが、年内にはさらに4人を育てる計画だ。その1人として、川渕社長のARCHICAD講習を受けた一級建築士・西森氏は語る。

「どう養生し、どう壊すのか、お客様に説明を求められた時、やはり3Dは説得力がぜんぜん違います。ARCHICADが今後の工務に絶対欠かせないツールなのは間違いありませんね。私も早くものにしたいです」。 同社では前述の通り神奈川進出の計画を進めているが、そこでもこのARCHICADの活用が大きなカギになる、と川渕氏は確信している。

「神奈川進出は正直まったく手探りですが、たとえばチームワーク機能等を駆使してARCHICADのパワーを最大限に活用できれば、新しい土地でも当社の強みである計画力を十分発揮できると考えています。プレゼン等にもどんどん活用を広げながら頑張って行きたいですね!」(川渕氏)

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